そもそも版築って何すか??
建設業には様々は業種があります。様々な業種は更に細かく分類される事があります。
例えば『大工』 大工と言ってもハウスメーカーの戸建てや店舗等を主に施工する『造作大工』や
社寺から歴史的建造物まで・・・敢えて古の工法を用いて施工する『宮大工』など。
同じように左官も、ゼネコン系や工務店のマンションやビルなどの大きな規模の工事を請け負い、主にモルタルや
下地材を使って、『地』を作ることが多い現場を『丁場』と言い。
次に社寺や木造住宅などの小規模建築の『仕上げ』をメインとする現場を『町屋』と言うそうです。
土で中塗りをして、漆喰で仕上げる・・・その他多数(笑)。ざっくりですが、工事が完了してから
人の目に見られやすい施工は『町屋』には多く存在するようです。
勿論、厳密な線引きはあるのですが・・・あくまでも1つの目安としてご理解下さい(^-^;
話が脱線しましたが、『版築』とは・・・その壁や基礎を作りたい部分に板などで囲いを作り
その中に土を敷き詰めては突き固めて、1層1層締め固めていく工法です。
とっても歴史のある工法で、古くは中国の万里の長城にも使用されているそうです。
本来は土に石灰やニガリを混ぜて施工するのですが、現代版築においてはセメントを少量
混ぜて強度を保つようにしています。
版築の基礎工事!
まずは、基礎を頑丈にする為に・・・。
今回、石井さん(施主様)の希望で、園内のカウンターを版築で作りたいとの事で、希望する位置の床部分を
くり抜いてからコンクリートの土間にアンカーを打ち込み、鉄筋を立てていきます。
基礎にはブロックを並べて、モルタルでガチガチの強固な基礎つくりますよ!
コンパネで型枠を作っていきます。この作業も重要で・・・弱い『枠』だと、土を入れて締め固める
作業で、緩んできてしまいます。そうなると版築は失敗してしまうそうです。
ビスでバシバシに留めてあるので、ビクともしない型枠が出来ました!
ここに今回は京都の山本忠和氏から頂いた、『土』を突き詰めていくのですが・・・。
土の量を考慮して、中央部分にはコンクリートブロックを積み上げておきました。
(この写真では分かりにくいですよね・・・)
それでは・・・土を入れて行きます!
肝心の『土』を混ぜている写真を撮るのを忘れてしまって・・・(すみません!)
屋外の作業場にて、ミキサーを使って練っておりました!
一度にたくさんの土を入れてしまうと、しっかり突き固められないのもあって
強度がなくなってしまうので、面倒ですが(笑)少しずつ土を入れては、『たたき棒』で
締めていきます!これが結構大変なんです!
今回、山本さんから頂いた土は、色粉を使用していない100%天然!!
赤土は名古屋、ピンク系は大分、その他は京都から採取されているそうです。
同系色に偏らないように・・・。練っていく土のカラーの順番も考えなければなりません!
親方曰く、『心配せんでもええ感じになるから』と言ってましたが、型枠の内側の
土の層がどのようになっているのか?心配で心配で・・・。
さぁ、一番上まで土を入れたら、コンクリートブロックの中にもモルタルを詰めます。
ようやく先が見えてきましたよ!
このままカウンターの天板とはなりませんので(笑)天板のを設置してから、デコリエ(日本化成様)で
施工していきます!
聞くところによると、石井奥様が割と細かくカラーの調整をしていたとか・・・。
すでに版築の型枠は解体されて、完成しているのですが先に天板の仕上げをUPしました。
どうですか!?
更に
特に赤土系が目を惹きやすいので、出来るだけ偏らないうように配慮して
積み上げて行きました。
歴史あるどのような職業もそうだと思いますが、古来からの伝統や先人たちの知恵をしっかり
理解した上で、現代にアレンジしていく・・・。
とても面白い作品が出来上がりました。
施工先
kidsroom Mohala
http://mohala.jp
078-384-5084